Gofish『燐光』リリースライブ@UrBANGUILD
2018年4月1日
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Gofishのライブを見て来ました。もう恐ろしいぐらいに良かったです。Gofishのライブを見ること自体が初めてで、この日はGofishトリオ(テライショウタ+稲田誠+黒田誠二郎)での演奏。テライさん、稲田さん、黒田さんの3名のミュージシャン、アーティストとして、とてつもなく巨大に感じました。圧倒です。歌唱力しかり、演奏力しかり、佇まいしかり、「体全体で音楽なんです」と、大げさではなく圧倒されたライブでした。

稲田さんはカズキハシモトさんのライブでベース(コントラバス)を弾いていて、その頃からこの人は凄いなと単純に思っていたし、サポートにも主役にもなれるベーシスト、あぁ凄いと思いながら見ていました。ライブが終わった後には演奏していた姿が余韻として残り、人柄も暖かさを感じるし、音楽の話をされているのを小耳に挟みつつ、本当に音楽の人だなと思っていました。

黒田さんはゆすらごの人で、演奏をされることを小耳に挟みつつ、実際に演奏をされているところを見ることのないままこの日を迎えて、この日いちばんのインパクトを残したのは黒田さんの存在でした。「ピアノのまわり」での息遣いがやばいです。あんな感じで「ハッハッ」言ってるとは思わず、この日最初のクライマックス。チェロという楽器をちゃんと聞いたのも初めて。演奏する人によって楽器の演奏も印象も違うと思うけど、黒田さんの演奏によってチェロはとても興味が湧く楽器の一つになりました。

テライさん(Gofish)の音楽は、ずいぶん前に知り合いの車の中で流れていた音楽。これなんですか?と聞いたらGofish。たぶん、セカンドアルバムの「あたまのうえ」の頃でした。何年かが過ぎて4枚目の「よかんのじかん」で個人的に再会、ライブを逃しつつ5枚目『燐光』が発売。その少し前に発売された7インチ「肺」の歌としての素晴らしさと、25歳くらいから最も気になる臓器そのままのタイトルに必要以上に興味を唆られ聞きました。サビが肺そのまま。サビ以外をなんて呼ぶのかその知識が僕にはないけれど、サビ以外の歌詞もまた呼吸そのもので、この一曲は素晴らしいと心底思えます。いまも「燐光」をよく聞いている。この音楽は誰宛なのかと思いつつ、「そうだな」と思うことも多い。歌詞への共感は珍しく、聞きながらイメージが浮かぶのも珍しい。発売されて3ヶ月近く経つけど、いまでもよく聞いている。聞いている間は目を瞑るのも、目を開けるのも楽しくなる。

さて。ライブを文章にすることは難しいです。いいライブというのは演奏するその人たちのその音楽がその人たちにとって違和感なくその人たちの音楽として演奏されている状況に多いと思います。Gofishトリオの3人から感じたものは、なろうと思ってなれるものではないし、やろうと思ってやれることでもない。あんな風に音楽を演奏するに至るまで、この人たちにはどんなことがあったのか、どんな演奏をしてきたのか。舞台上で演奏をすることは特別なことだと思うけど、3人の演奏は自然体。演奏の合間にされていた少しの話も特別ではないし自然なものばかり。誕生日のこと、それぞれの紹介(フロム明石、フロム上京区)、音楽を続けること。アンコールを2曲するところもすごく良かったです。ライブが終わって一緒に見に行った友達と興奮しながら帰り、深夜1時頃まで話しました。一週間後に別の友達(その友達もたまたま見に行っていた)ともそのライブについて話しました。みんな後を引いていました。

次のアルバムや次のライブが楽しみです。まだ聞いたことがないファーストアルバムの「Songs for a leap year」をどこかで聞けないものかなと探している。もしかすると、知り合いの車で流れていたGofishのアルバムがそうやったんとちゃうかなとか思いつつ、思い出すことができません。