トリスタン・グーリー『ナチュラル・ナビゲーション:道具を使わずに旅をする方法』
2017年4月3日
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男的なものがとことん苦手なようだ。この本が男的かどうかは個人的な見解だが、知識や方法や事実が続く時点でとても辛かった。

事実への探究心が少ない。自分について、そう思う。事実とは明確な答えだ。私自身はこれと言って突出した知識を持ち合わせていない。知らない分野の事実を知らされると言うことは、自身の予想や想像の先のようではあるが、どうにも自分はそう言ったものには惹かれず、集中が途切れてしまうのだ。

「これはこうです。」

そう言われているように思うのだ。

「そうですか。」

と、私は思う。

ナチュラルナビゲーションは自然を見ることで自身のいる場所や方角を知る術を教えてくれる。やはり、なるほどそうなんだなということがほとんどで、途中のダレはかなりのものだった。読み終わるまでに20日も掛かった。

覚えていることがあるとすれば、砂漠の話。砂漠の形は風によって作られている。よくよく考えれば、砂は空から降ってくるものではない。こんもりとした山の形もくぼみも、自然と自然の干渉によって出来ている。

なるほどなという感じである。

自然とはなんだろう。そう思って手に取った本だった。ここぞとばかりに自然について書かれた本である。とことん知識的なものへの興味がないのは間違いない。そして、自然への興味も、実はないのではないかと思ったのだ。行き着くところは写真への興味なのだと。写真を用いることによって知ること、理解することなのだと。本の感想からは少し外れるが、そう思った。