菅付雅信『写真の新しい自由』
2017年3月9日
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雑誌「コマーシャル・フォト」での連載を一冊に纏めた本。

「コマーシャル・フォト」をじっくり読んだことがない分、普段気にかけていないファッション分野など「カメラマン」と呼ばれる人たちの記事が面白かった。自分自身でも気がかりになっている「写真で生きていくには」の、多種多様な人たちのエピソード。現実的に見て、「今読みたい」本だったと思う。

自分は写真のことをあまり知らないと思う。写真で生きている人が居て、その周りにも人たちがいる。写真エージェンシーというものも知らなかった。写真家個人個人は一つの才能であり、タレントなのだ。なるほどと思いつつ、当然のようにも思える仕組みがあることを知って、これから生きていく方法についてのパーツが増えた気がした。

管付さんの連載と合わせて、カメラマンへのインタビューが載っている。その中の一つのインタビューを読むことが出来て良かったと思う。それは、自分の中で持っていた偏見が解消されたと思ったからだ。この本の中にあるインタビューは理想ではない実体験や経験談が多い。とても現実的だ。語られていることが現実としたら、やっぱり偏見でしかなかったと、思わざるを得ない。

写真で生きるには。それを考えれば出る一歩が必ずあるのだ。現実的な足取りの数々は、今年自分自身が行おうと思っている幾つかの参考として、覚えておきたいと思った。