人参のスライス1/2
2022年9月29日
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パフォーマンスをしたことはない。急に思いついた言葉。写真家による身体パフォーマンスの痕跡を見たから。今はにんじんをスライスして塩をつけて生で食べている。髪質にいいと聞いたから。とても小さな「気になる」が自分を作っていることを感じる。

人と話してかけた声が聞こえたのか、聞き流されたのか。そんなことを考えて、私の一日のパフォーマンスは力を失っていく。その数時間後、聞き流したかもしれない人と「どうでもいい話」をしてその失った力が戻って来る。

隙間を埋める小さなもの。目を凝らすも、考えるも、全てには行き届かないが、届いたものにはいちいち感受性が反応している。私の毎日毎時間はそんなふうにできている。

焼いたニンジンはすぐに腹に収まるのに、生の人参(1本の半分を薄くスライスした)はこんなにもなくならず、夕方にはなくなるかなと思って噛み続け、少しずつ腹に収めている。

関わる人が増えると大変。それはそうだ。私は一人の人間だから、人が増えると、小さな物が増えていく。小さなものを埋める器はそのままで、小さなものがより細分化される。含まれたものの質量は変わらない。そういったものを選んでいる。

今朝、書いたノート。大項目が増えたけど、書いたら書いたで「なんとかなるか」という気持ちも増える。こうして増やしたもの。そのそれぞれをこれから数年で吟味をすることになる。そう思っている。増えたものを減らしてシンプルにする。分かりやすさは生きやすさなのか。一人の私、その人が注力できる力の総量を配分していく。やることが少ない方が、一つへの力は増える。それはそうだ。一つずつを見て、選ぶ。シンプルになった自分までもう少し動きたい。リモートワークの休憩中に、書く。