展示
KYOTOGRAPHIE|Hanne van der Woude 『Emmy’s World』・吉田亮人『Falling Leaves』・René Groebli『The Eye of Love』
2017年5月5日
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KYOTOGRAPHIEの展示をいくつか見た。その中から気になったものを書きます。

Hanne van der Woude 『Emmy’s World』
オランダ人女性写真家のハンネ・ファン・デル・ワウデが6年間をかけて老夫婦とその兄弟やペットを追いかけたドキュメンタリー。老夫婦のキャラクターが特異で魅力的である。キャラクター性のある人との出会いは大切だなと思う。僕も一人だけ気になる人がいて、たまに会うと写真を撮っている。作品にするつもりはないのだけれど、会うたびに撮っている。話を戻す。それにしても写真が上手い。ドキュメンタリーとは言っているけど、半分は被写体との共同制作ではないかと疑ってしまう。そして展示も上手い。キョウトグラフィのいいところは会場の面白さだ。何度か行ったことのある嶋臺ギャラリーだったが、場所の活用の面では今までで一番だった。写真の世界観を壊さずに、やり過ぎずにやらなさ過ぎずに、作品らしい展示会場にする。蔵の地面に敷き詰められた落ち葉を踏みながら、作品世界の引き寄せぶりになるほどと思った。誰の生活でもそうだが、外と中がある。外としての旅であったり近所への散策。そして中としての我が家やベッドにお風呂。エミーズワールドは、どこかの老夫婦を見せながら、私たちの生活が簡単な二分割であることも思い起こさせてくれた。
Hanne van der Woude

吉田亮人『Falling Leaves』
悲しい実話だった。ある意味一番印象に残った展示。それは疑問符と共に。最後の部屋を作る意味はなんなのだろうか。僕は賛成しない。

René Groebli『The Eye of Love』
今年のキョウトグラフィのテーマは「LOVE」だ。それを率直に感じる写真だった。すぐ隣が無料コーヒーのテイスティングコーナーだったので、片手間に見ている人が多かった。私としてはその写真ひとつひとつがとても印象深いものだった。とても単純ではあるけれど、一人の人への愛なんだなと思った。荒木さんのような生々しさや深層ではないけれど、これは愛してるなと、納得できる写真の数々だった。今知ったのだが、奥さんとの新婚旅行をとらえた写真群らしい。荒木さんを思い起こしたのも当然かもしれない。この美しい写真が一度の旅行かと。忘れられない旅行なんやろなと。そんな旅行して見たいなと。思った。