stayathome.photography Word.1
2020年5月15日
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stayathomeでのファビアンさんとの写真での対話が始まりました。

 
stayathome.photography・Fabian hammerl – Shun Kataoka
 

対話と言いつつ、写真への解釈、繋げ方は参加をするその写真家に委ねてあるので、自由な試みであると言えます。ただ、今の状況を踏まえてみると、「こんな時だから明るく」だとか「こんな時に明るいものを選んでもね」という気持ちも少なからず浮かんできます。そして、参加している人の写真の繋げ方をいくつか見てみたところ、言葉がないため断定はできないですが「同じモチーフが入っている」「同じ色が入っている」ことが多く、繋げる写真に「同じ」を選ぶという意思を感じます。

会話なので、急に突飛なことをすると「まぁ、それもあるけれどちょっと話を変えてもいい?」というニュアンスになるのかもしれない。stayathomeでのペアは知り合いである場合も、ウェブサイトを通して知らない人とペアになることもあるようです。そんな人に突飛なことをし続けることも、会話から離れてしまう。だから、自分とファビアンさんとの関係についても考える機会になっています。

数回出会ったのみではあるけれど、ちぐはぐな英語やジェスチャー、伝わらなさに、「伝えれない」と話すことを諦めてしまったこともあります。それでも、根気よく会話を続けてくれたのがファビアンさんだと思います。誰かと組む(ペアになる)と考えた時、日本人の写真家で言葉が通じるとは思うけれど、ペアになるかどうかというと別の話であるとも思います。

僕とファビアンさんにはまだ知らないお互いのことが多く、「どんな人なのだろうか」という興味が今になっても多分にある関係だと思います。会話についても、お互いの展示を除いては、深い部分を話したことはない二人です。少し変わった関係ではありますが、この写真での会話を続けることによって、通常の言葉もまだ潤沢とは言えない二人が、写真を繋げることによって、不思議に深い関係になるかもしれません。はたまた「?」が思い浮かび続けて呆れられる可能性もないとは言えません。

この機会を「同じものを繋げる」だけにしないために、ファビアンさんがアップする1枚ずつをよく見ることにしました。

夜/花/光/ガラスに包まれている/日本(異国)/夜に浮かび上がる/今が暗がりということなのか/1枚目を日本の写真にしたのはペアを組む僕へのメッセージ

特に印象に残ったのは、明るい部分であり、黄色い花がガラスに囲まれ浮き上がっていることでした。今の状況を現してとも思えて、とてもメッセージの強いものであると感じました。

自分の写真を選ぶ時に思ったのは、ファビアンさんの写真の中のどこか一箇所に入り込んでみようということでした。ただ、その考えがいつまで続くかは分かりません。選んだ写真は猛吹雪の雪山で、視界の悪い中登山をするカップルと、吹雪で視界が霞む先に見える電波塔です。視界が霞む雪をレイヤーとしてのガラスに見立て、遠くの塔が花瓶に入った花と言えます。

この1枚目を選んで思ったのは、相対するものを対象としている二人の会話であるということに気づきました。1枚目は大きく悩み、ここへの文章も前段を含めて随分と長くなりましたが、簡単に思ったことや写真を一つの言葉と認識して、何か思ったことを書いていくことができればと思っています。