生活
昨年の今頃に決めたこと
2021年8月20日
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FUJI ROCK FESTIVAL 2021が開催されている。複雑な気持ちで受け止めている。

不特定多数の人が集まる場所。想像を超える勢いで感染者が増える中、開催することに至った理由は様々あるだろう。社会を見て、決めるイベント。お金の問題もあるだろう。自分が働く職場もそうだけれど、今の状況を抑えるために一番効果があることは人が動かないことだと思っている。自分の職場は大きな商業施設の中にある。そこを維持するためにはお店を開けなければいけない。維持するには。それはお金を生み出さなければやっていけないと言うことだ。

動けば動くほど病気になる人が増える。それが答えであるにも関わらず、人はお金を生み出すために動く。その次にあるのは会いたい人がいるから動く。だろうか。自分の場合は写真を撮るために。だろうか。

それぞれがそれぞれの理由で動く。ただ、答えは分かっている。人が動かないほうが、この病気は広がらない。ワクチンとかの問題ではない。人が動かなければ広がらない。どうすれば人が安心して動かないでいることができるか。それを考えない国の中心や、世の中の作られ方を見て、自分たちは哀れだと思っている。

FUJI ROCKの模様がYoutubeで生放送されていた。一人のアーティストが濃厚接触者になり、今回の参加を取りやめたと言うこと。その人は陰性であることが分かったけれど、それでも取りやめたと。その人は、FUJI ROCKへの出演や開催について、直前まで悩んでいたことを知った。濃厚接触者になったことは、疑問に思っていた気持ちを後押しし、陰性であっても出演はしないと言う決め手になったようだった。

その後、また別のアーティストが出演を取りやめたことを知った。その人も直前まで悩んでいた。出演する直前にキャンセルを決めていた。ファンはすでに会場に到着していたり向かっていたりしていただろう。それでも、キャンセルを決めた。今の世の中の状況で開催されることの疑問。それを持たないアーティストなんていないのではないだろうか。

毎日、過去最高の感染者数と言う声が聞こえる。私たちがその病気を最も恐れていた時、1日に感染する人の数は100人にも満たなかった。ほとんどすべての人が恐れていたあの頃。感染者が増えても恐ろしさが少なくなってしまった今。状況で言えば、今の方が恐ろしいことは間違い無いだろう。いつでも自分が感染し、いつでも誰かを感染してしまう。そんな病気への解決策がない中で、音楽を楽しんだり、お金を稼ぐために人を集めることに一生懸命にならないといけない今の状況に、疑問は絶えないでいる。場所や生活を維持するために、この矛盾の中、その矛盾を見ないふりをしながら、今日もがんばろうと言っている。

個人的に楽しみにしていた、人の集まりも少ない小さなイベントが中止を決めていた。そうか、と思いながらホッとする。状況に対して、間違えないように判断をする。昨年の同じ頃か、春ごろにとある人と交わした言葉。「間違えたくない」。その言葉を思い出す、小さなイベントの中止の報せ。

今、世の中はまずい状況にある。それだけは忘れないように、見ないようにしないように。一つ一つを見て、決めていく。