生活
キーボードの話
2021年2月27日
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今日はいいものが家に届いた。キーボードである。キーボードはもともと持っている。パソコンを持っているから当然ではあるが、初めてキーボードを自分で選んで買ったのだ。

なぜ買おうと思ったかというと、もうこれは完全にYouTubeのせいではある。たまにおすすめに出てくる人の動画の中で、見たことのないとても素敵なキーボードが映っていた。その人自身もそのキーボードのことを心の底から気に入っていて、キーボードに関する動画やブログを書いていた。

当たり前ではあるが、気に入っている人はいい部分を書く。そして、最近はよくない部分も書く。これは信憑性が帯びるためには必須項目なのだと思うが、全てを褒める人はもはやいない。その人はもちろんだが、いろいろな人のレビューをとにかく見た。この頃で一番悩んだことはキーボードを買うかどうかだ。

小さな悩みのようで、大きな悩みだった。盲点。今、私が1日で一番使うものは鉛筆でもボールペンでもない。もっとも使う筆記用具はフリクション。そんなそれぞれを差し置いて、圧倒的に使用するのがキーボードだ。疑問を持たずに使い続けてきたマジックキーボード。平たく省スペースでアップル製品というだけで信用していた無敵にも見えるそれである。

だが、心のどこかで思っていたことだが、正直打ちやすくはないというのが、キーボードの購入を考え始めてから気づいたことである。何年も使っていて気づかない。なぜか。それは「知らないから」ということがもっとも大きいと思う。初めての服。おしゃれ。いつもの近所の複合施設のあのお店で売っているであろう、大体あんな服。それを当たり前に着て、当たり前としているのは、知らないということが大きいと思うのだ。

偶然ではあるが、通常家電量販店では売っていない気になっていたそのキーボードを大阪で取り扱っているお店に巡り合った。仕事の休憩時間に大急ぎで向かって、滞在時間は15分もなかったかもしれない。よく話題に上がる「打鍵感」も魅力的ではあったが、初めてのお店と時間も限られていることもあって、穏やかな気持ちで集中ができたとは言えないが、私自身をもっとも捉えたのはその見た目であったことは間違いない。想像していたよりも小ぶり。久しぶりに見るキーボードってこうだよねというキーのポコっとした形。なんだか隙間なくキーが集まっているところも愛らしく感じた。

このお店に向かう時、私が心の中で期待していたのは「諦める」ことだった。期待をしていたけれど拍子抜け。思ったよりも。これなら今のままで。そんなことを思っていた。この場所に着く前にヨドバシカメラにも立ち寄っていて、たくさんのキーボードを見ていた。そこには期待していた通りの拍子抜けが並んでいた。欲しいと思うものが本当になかった。驚くほどにときめかず、「あぁ」と期待通りであり残念であった。加速度を高めながらの来店で、それを覆す、そのキーボードとの出会いだった。

今日はそんなキーボードでこのブログを書いている。いつもはもう寝ている時間で、明日は仕事がある。ペンは描きやすいものが好きで、フリクションも好きだけれど、キーボードも文字を書いたり、考えをまとめたりと、書きやすさに継ぐ打ちやすさとして拘ってもいいものだったんだなと、とても納得する買い物だった。文字や言葉。考えを書く。写真を別として、いつでも続けたいと思っていることとして、最近頭に浮かぶことの幾つかである。

また、仕事の荷物が増えた。